内視鏡検査について
内視鏡専門医による検査と診断
『胃がん』に関しては、検診の普及、ヘリコバクター・ピロリ感染率の低下に伴い、死亡者数は年々減少傾向にありますが、2018年の時点で男性がん死亡者数の2位、女性がん死亡者数の4位に位置しています。
また、『大腸がん』に関しては食文化の欧米化の関与も指摘され、検診が普及した現在も上昇傾向にあり、男性がん死亡者数の3位、女性ではがん死亡者数の1位に位置しています。
これらのがんはともに早く対処することで根治可能であり、早期発見、早期治療がより豊かな人生を送るカギとなっていることは言うまでもありません。
当院では狭帯域光観察(NBI)システムとハイビジョン式拡大内視鏡を用い、癌を早期に発見すべく精度の高い内視鏡検査を行っています。
極力苦痛のない検査を心がけておりますが、ご希望に応じ鎮静剤を用いることも可能です。
検査中は呼吸・心拍監視装置により常に全身状態を評価し、安全には細心の注意を払っております。
また、当院では胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査ともに内視鏡用炭酸ガス送気装置を使用しております。
通常、内視鏡検査では空気で胃や大腸をふくらませて観察します。いったん注入した空気は長時間腸管内に残るため、検査後に強いお腹の張りや苦痛を伴うことが多くみられます。
いっぽう炭酸ガスは消化管から体内に速やかに吸収され(空気の200倍の吸収速度)、呼吸とともに肺から排出されます。
空気の代わりに炭酸ガスを送気するこの装置を用いることにより、検査中や検査後の患者さんの苦痛を大幅に軽減することが可能となりました。
感染対策としては、ポリープ切除等に用いる処置具はすべて新品を用い、再利用は行っておりません。また、内視鏡洗浄に関しては極めて高い殺菌能力を有するオリンパス社製のOER-6という装置を用い、徹底した感染管理を行っております。
狭帯域光観察(NBI)機能を搭載した内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS X1」(左)
狭帯域光観察(NBI)では、緑色光と青色光を利用して、粘膜表層部と深部の血管を鮮明に表示します(右)
(オリンパスメディカルシステムズ株式会社メディカルタウンより引用)
当院での内視鏡診断の様子。
狭帯域光観察(NBI)システムとハイビジョン式拡大内視鏡の導入によって、より精度の高い内視鏡診断が可能となりました。